アトピーがあると、油は炎症を増すから控えるように言われたり、オメガ3の油やココナツオイルを勧められたりしますよね。
インドの伝統医学・アーユルヴェーダでも、油は体の中に入れるより、体の外から油分を与え浄化していく考え方。
とはいえ、料理に油を全く使わないわけではなく、使う時はギーを使うことが多いです。
インド料理店で出されるナンやチャパティに塗られている油も、バターではなくギーです。
ギーとは?
ギーは、アーユルヴェーダでは「最高の油」「純粋な油」といわれます。
バターを精製して、タンパク質や水分など不純物を除いたものがギーになります。
うちの息子は乳アレルギーもありますが、ギーは食べられます(全ての方が大丈夫とは言えません。アレルギーのある方はご注意ください)。
ギーは冷性、甘味のある油。
火のエネルギーを鎮めてくれます。
たくさん使う必要はなく、ほんの少量で満足感があります。
ギーはお料理にはもちろん、アーユルヴェーダでは目を癒すのにも使います。
目の周りに小麦粉などを練ったもので土手をつくり、眼球をギーに浸す「ネトラタルパナ」と呼ばれる浄化法があります。
充血を癒やし、視界が開け、目がものすごくスッキリします。
よく「アーユルヴェーダでは、目にバターを入れるんでしょう?」と言われたりしますが(^▽^;)
バターとギーは、似て非なるものです。
ちなみに「醍醐味」の「醍醐」はギーだという説があります。
醍醐味はギーの味なんですね。
ギーは既製品もありますが
ギーはインド食品店などで売られていて、ネットで購入することもできます。
が、ギーは自分で作れるんです。
作りながら、その香りと音で幸せ気分が増すのもギーの魅力。
準備するもの
無塩バター(普通のでも、発酵バターでも、有名メーカーのでも…ちなみに私は無塩バターがなくて有塩バターでも作ったこともあります。料理だけに使うなら有塩ギーでも問題ないか、と(^^))
厚手の鍋
厚手のキッチンペーパー
茶こし(空き瓶の口に乗っかるもの)
煮沸消毒した空き瓶(はちみつの瓶など、広口で、用意したバターを溶かしたら全部入るかな?という大きさのもの)
ギーの作り方
今回はこの無塩のグラスフェッドバターが近所で売られていたので使ってみましたが、普通の無塩バターで大丈夫です。
①常温に戻し、丸ごと鍋に入れて火にかけます。
最初は中火でもいいんですが、私は弱火でじっくり、ゆっくり溶かしていきました。
全部溶けました!
②白いアクのような泡が表面を覆い、すくいたくなる衝動に駆られるかもしれませんが、そのまましばらく待つと消えますので、安心して放置してください。
③泡の大きさ、質、音が変わり、香りも変わってきます。その変化を楽しみましょう。
この隙に空き瓶に茶こし&厚手のキッチンペーパーをセットしておきます。
④大きかった泡が小さくなり、ミルクの香りから、ポップコーンの香りに変わったら、火の止め時です。
⑤のんびりしていると余熱で焦げちゃうので、火を止めたら、先ほどセットしたキッチンペーパー&茶こしに少しずつギーを入れ、空き瓶にこしていきましょう。
バターの不純物(タンパク質など)が鍋底やキッチンペーパーの中に残り、瓶にはギーが入ります。
この不純物=ギーの副産物も食べられます。
バターを2倍楽しめますよ。
できたてギーは、黄金色(*^^*)
ギーの保存
ギーは油なので、常温で保存できます。
とはいえご心配なら、冷蔵庫に入れても、もちろん大丈夫。
冷えるとバターのような見た目になります。
が、バターのように硬くならず、やわらかいままです。
ギーの使い方
我が家では重ね煮することがほとんどなので、料理に油をあまり使いません。
そんな中でも、たまに焼き物やパスタ、サラダなど、少し油分が欲しいなという時にはギーを使います。
もちろん、バターのようにパンに塗ったり、お菓子作りに使っても。
甘味もあるので、ギーとシナモンだけで、お砂糖いらずのシナモントーストになりますよ。
【関連記事】ギーを使って卵焼きを作り、持ち寄りランチに持って行った時のお話はこちら。
いも餅を焼く時にギーを使ったお話はこちら。
「油を作る」って耳慣れないかもしれませんが、お味噌をつくるより、ずーっと手軽です。
体に燃えかすを残さない油、ぜひ作ってみてくださいね。
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