退院して2度目の大学病院受診日。
息子は「怖いよ。行きたくないよ」と泣きました。
私も「行きたくないな。切ないな」と息子の気持ちを受け止め、二人で泣きました。
目的の確認
私も不安で、行きたくない気持ちは同じだったから、ホントにキャンセルしてしまおうかとも思ったのだけれど、歯茎の中にある骨が見えるぐらい浮いてきていて、いずれ除去しなければならないという懸案事項がある状態。
これからどんなことになるのか現実と向き合うのはめっちゃ怖いけど、聞くのを先延ばしにするよりも、今日はしっかり私たちに分かるように教えていただこう、痛そうな治療をするかどうかはその後のことだから、まずはお話を聞きに行ってみよう、と息子と話して病院に向かいました。
小児科(低カルシウム血症の経過観察)
歯科受診の前にX線撮影の後、小児科へ。担当医が低カルシウム血症で入院したときのX線写真と今日の写真を並べて「説明するね」と言うと、息子は「さぁ、教えてくれ」と聞く気満々。
橈骨(とうこつ)が…あ、親指側にあるここの骨が、これね。
うんうん、ここね。
この切れ目の部分が全然違うでしょ。こっちはもやもや~っとしてるのが、今日のはスパッとしてるの分かる?
おー、ホントだ!
思ってた以上によくなってるよ。
ここが成長するにつれて隙間がなくなっていくの。
へぇ~。
「今度は採血と尿検査させてね」と言われ、次回の予約日も、医師と息子の間で決めてもらいました。
歯科(痙攣時に抜けた歯の再生と骨)
続いて、息子と私に重くのしかかっていた歯科にドキドキしながら向かいました。
現在週1ペースで通っているかかりつけの歯科では「大学病院でどうするつもりか分からないけど、麻酔して外すことになるんじゃないかなぁ…」と言われていた骨。想像しただけで痛そうです。息子のストレスもだいぶ高まって、呑気症(頻回のゲップ)という形で体に出ているため、今日は麻酔や痛いことは避けたいなぁと思っていました。
迎えてくれた担当医に、恐る恐る「ストレスで呑気症が初めて出まして」と説明すると、意外な答えが返ってきました。
あ、今日は痛いことしないから大丈夫!
ホント?
この先生は嘘つかないから大丈夫だよ。
ごめん、痛いことしないって言ったけどちょっとだけ痛いことする(多分骨が見えている部分をチェックするためだと思われます)。
えぇ~( ≧Д≦)
黙って蚊帳の外にいられなくなった私は、椅子から立ち上がり、すすす〜っと歯科医師のそばに寄っちゃいました。
なんか、◯◯歯科で骨が見えてるって言われたんですけど、何ともならないんですかね?
ならないですね。
そ、そうですか…(ꏿ﹏ꏿ;)
ヘナヘナになっていく私の気持ちを察してくださったのでしょう、歯科医は息子の口の中をチェックし終わると私の質問に答えてくださいました。
骨はこのまま放っておいたら自然に取れてくると思うんです。かかりつけの◯◯歯科さんの方でしっかり治療していただいているから、腫れも化膿もしてないみたいですね。
骨がなくなることで、歯槽膿漏状態で歯のグラつきがありますが、しっかり歯磨きをして、ステーキみたいな硬いものを前歯で食いちぎろうとしたりしなければ支障はないはずです。
8月にダメもとで入れた歯が何本定着するかはまだ分からないけど、もし定着しなくて抜くことになっても、◯◯歯科さんの方で治療してもらえるはずです。
じゃあ、麻酔をして骨を外すということはしなくていいんですね?
うん、何ヶ月か経っても取れてこなかったら、その時はそうしますけど。もし取れてきたら教えてください。
これからの見通しが分かったことで、重くのしかかっていたものが、軽くなりました。
自然に任せていいということ、そしてまだ歯の再生に希望を抱いていていいのが嬉しくて。
後悔しないように、しっかり歯磨きしていこうと気持ちを新たにしました。
目的は果たせた
出発前まで、「怖いよ〜、行きたくないよ〜」と二人で泣いていましたが、いざ行って、勇気を出して聞いてみたら安心感を持ち帰ることができました。「よかったね~」「終わったね〜」とニコニコで、頑張ったご褒美の甘栗を二人で食べながら帰ってきました。
息子の口の中のことは私も未知の領域で、「大丈夫!」のイメージをうまく描けていない気がして、それもまた不安要素でした。今日、しっかり説明していただけたことで、イメージを描きやすくなりました。
「この子は守られているんだな。神様にもご先祖様にも愛されているんだな」。私が頑張りすぎなくても、大丈夫、うまくいくと思えた日でした。
不安、恐怖…以前はそういったものとどう向き合ってよいか分からず、そんなネガティブな感情を抱く自分にダメ出ししていました。でも、不安や恐怖は生存本能で、大切な感情なんですよね。逃げることに繋がるんじゃないか、だから怯まずに奮い立たせなきゃと思っていましたが、不安をしっかり感じてあげることで何が問題なのか、何を大切にしたいのかが分かって、意外と次に進めることを実感しています。泣くのは悪いことじゃないと思うようになりました。このことは無料メルマガにも書きましたので、ご興味のある方は読んでみてくださいね。