2度目のアトピー湯治シリーズ、前回のお話はこちら。
2度目の豊富(とよとみ)温泉での湯治生活で
「やっぱり、ここは呼吸がしやすい」
「ここで暮らすことを本気で考えてみてもいいんじゃないか」
「以前主治医に言われた、私たちの『美しい場所』はここなのではないだろうか」
私はそんなことを考えていて。
「移住」
現実的に考えると、親のこともあるし、懸念事項が全くないわけではないのだけれど。
「前に進め」と言われているような気がして、ちょっと行動を起こしてみました。
まずはコンシェルジュデスクへ
空き家や空き店舗はたくさんある。けれども、不動産屋さんは見当たらない豊富町。
町役場のホームページで「空き家バンク」の文字はあっても、情報はゼロ。
町役場の場所は分かっているから、思い切って突撃してみることも考えましたが、まずは温泉上がりに、1人ふらっとコンシェルジュデスクへ。
夫と息子は立て続けに2回温泉に入るはずだから、まだ上がってこないだろうと踏んでの単独行動です。
コンシェルジュデスクには、コンシェルジュさんと健康相談員さんがいらっしゃいました。
どちらも本州からの移住経験者。まさかお二人ともいらっしゃるとは。
「息子よりも、私が移住したくなって」
そんなことを口走った私に、コンシェルジュさんは前回湯治の際にも、いただいた湯治留学パンフレットを渡してくださいました。
「いや、でも、うちの息子は学校に行かない選択をしていて。アトピーだから行けない、というよりは、学校に行きたくなくなってアトピーが悪化したんですよね」
「本人に学校に行く意思がないと、湯治留学には当てはまらないんじゃないか」
そんなうっすらした疑問を投げかけてみました。
すると健康相談員さんが「いや、問題ないでしょ。そもそも、アトピーがしんどいと、ほかのことを考える余裕もなくなるから。長い間休んでいる子もいるし、大丈夫じゃないかな。教育委員会に相談してみて。担当はTさんだから」。
そんな話をしていたら、そこに現れたのは、まさに湯治留学中の男の子。
湯治留学生のお兄ちゃん
高校生だというその男の子は、かつては脱毛するほどにアトピーがひどかったそう。
今では髪の毛ふさふさです。
うちの息子も、生後9か月ぐらいの頃、頭から浸出液大放出していたな…と思いを馳せつつ、お話を聴きました。
健康相談員さんも、うちの息子の話を彼にしてくれました。
「今、息子はお風呂に入っているんですけどね。お兄ちゃんと会えたら喜ぶと思うな。『お友達が欲しい』って一昨日言ってたから」とお伝えすると
「学校が終わるとスクールバスでここまで連れてきてもらえるんだよ。だから、この時間にここに来れば会えるよ」と健康相談員さん。
え、そうなの⁉ なんと手厚いバックアップ。
「1時間後に、また集合して戻っていくの」
なるほど…湯治留学、思っていた以上に湯治留学生に優しい。
こうやって体を第一に考えられる場で、自分のペースで学べたらいいだろうな。
このお兄ちゃんも「試験期間はストレスで悪化することもあるから、学校と相談しながらやっていけばいいよね」というようなお話を健康相談員さんとされていました。
一番気になる「家」はどうするの?
現役湯治留学生と出会えて、お話も聴けて、すっかり満足して帰りそうな私でしたが、帰る前にもう一つ聞きたかった大事なことを思い出しました。
「もし、移住するとなったら、家はどうやって決めるんですかね? 不動産屋さんは見当たらないし、稚内まで行かなきゃいけないのかな? 役場の空き家バンクもホームページには何も書いてないですよね」
すると、健康相談員さんが
「まずは公営住宅!」
「担当は役場の建設課! AさんとBさんとCさんの3人がいるから。そのうちの一人は、前にここ(コンシェルジュデスク)にいた人だから」
なるほど。まず、今の私にできることは何か分かりました。
それにしても、教育委員会とも、役場とも、家族みたいな繋がりのコンシェルジュデスク( *´艸`)
夫と息子に報告
コンシェルジュデスクが閉まる時間が迫っていたので、私はそこでお暇して、夫と息子が待つ大広間へ。
早速聴いてきたお話と、湯治留学生のお兄ちゃんのお話を伝えました。
「会えたらいいよね」と言うと、息子は小さくうなずきました。
残り少なくなった今回の湯治生活。
会えますように。
続きはこちら。
アンテナが敏感にふれるアトピーっ子の親もまた、敏感さがあるから意識が外に向いていると疲弊してしまいがち。
でも、その意識を自分の内側に向けて、その直感を大切にして行動してみたら、物事はうまく運ぶんじゃないかと思うのです。
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