「避けたほうがいい」は諦めなのか、選択なのか

歯医者さんで頑張ってきた帰り道、息子が「お魚が食べたい」と言いました。

最近、魚市場に行ったり、バーベキューをして、お魚三昧することが急に増えたので、その余韻かなと思いました。

ですが、先日Oリングテスト(筋反射テスト。薬剤、食材などが体に合うか、合わないかのチェックができます)を歯医者さんでしていただいて「お魚は息子くんの体に合わないよ」と言われたばかり。

魚市場やバーベキューでは「お楽しみだから」と許容したけど、最近、息子は頬から排出したがっている気配があるので、悪化しやすいこの季節「避けたほうがよい」と言われたものは控えたい。これは私の本音。

息子が食べたい物を食べさせたい気持ちはもちろんある。だから、いつも葛藤するのです。「よかれと思って避けているけど、それは本当に息子のためなのか。私のエゴでは?」と。

なので、息子にお願いしました。

「消化できるかどうかが問題なんだよ。息子が食べた後、元気になるってイメージできるお魚だったら食べてもいい。息子が見て決めてくれる?」

帰り道に寄ったお店にはたくさんのお魚がありました。息子は難しい顔をして悩んだ末に、何も手に取らず、お店を出ました。

「自信がないんだよ」

「自分が悔しいよ」

そう言って、車の中で涙をこぼしました。

葛藤

食べ盛り、成長期で食いしん坊の息子にこんな食事制限は酷かな…と頭をよぎることはしょっちゅうです。

「アレルギーとアトピーは関係ない。まず薬を使って肌の状態を改善すべき」とされる世の中の潮流もあります。

だから、息子も、お薬でお肌をコントロールして何でも食べていいよ、という道はある。強いお薬を使うことになるのでしょうが。

けれど、私は「お薬で抑えて、見えなくすればいいのかい? これは内側からの症状だよ」と考えてしまうのです。

でも息子が成長した今、無理強いはしたくない。「母ちゃんの言う通りにしよう」と思ってほしくない。もう自分の体のことを、母任せにする年齢でもない。

だから「こういう経緯があっての今なんだけど、私の一存で継続するのは違うと思ってる。あなたには別の道もあるよ。自分でも調べたり考えたりしてみてね。分からないこととか相談したいことがあったら言ってね」と話すようにしています。

自分で調べてみて選択する

私があれこれ調べたり、病院で言われたことなどは随時息子にも伝えているのですが、伝わっていないことが多々あります。

今回のお魚のこともそうでした。

息子は帰り道に涙をこぼしたあと、しばらくして「アトピーをよくする魚」で検索してみたようで、出てきた情報を教えてくれました。

私から聞くよりも、自分で「どうなんだろう?」と疑問に思って、調べて得られる情報量は圧倒的に多くなります。調べてみたら、思っていたのと違う結果が出ることもあるし、さまざまな情報を見比べて、どんな考えが根底にあるのか想像することもできます。いろいろな考えがあることを知った上で、自分はどうしたいか考えてみる。

息子は「魚は赤身と白身に大きく二分される」「サバやサンマは赤身」「脂が多いのは赤身」「青魚というのは皮が青い」「青魚はアレルギーが出やすい」「父ちゃんもサバでアレルギーが出ることがある」「エビ、カニ、オキアミは多くの魚介類が食べている(息子は甲殻類アレルギーがあります)」と学びました。

「入院中、初めて食べたイタヤガイで顎が痒くなったしな」

「お魚じゃなくても、美味しかったらおれは何でもいい」

息子はそう結論を出しました。

自分で調べることで、「諦め」ではなく「選択」に近づけていたらいいな。

長年、私は調べまくってその情報の質と量に疲れてしまったのだけど。

息子は今どきの子らしく、私よりも情報収集し自分で考える力があるのだから、ぜひ活用してもらいたいと思ったのでした。

悲しみ、悔しさも感じつつ

私も胸がキュッとなる出来事だったけれど、いつか「そんなこともあったね」と笑えるように。

歯医者さんで頑張った息子に何を作ろうかなと考えた結果、こんなのを作りました。

ニラとネギをたっぷり使った餃子味のラーメン(笑)。

息子は喜んで食べてくれました。

また、そのうちお魚も食べようね、と思いながら、餃子味のラーメンを家族で「美味しいね」と頬張りました。


かつて私は、息子のアトピーに対して、子育てについて、「なんでこんなことになったんだろう」と後ろ向きに悩みまくっていました。

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アトピーと食べ物

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