入院4日目。
ついに。
「皮膚科受診してみませんか」というお誘いがありました。
想定はしていましたが、私としては、今までの経験から、避けたい。
でも、世間的にはあちらが「標準」。だから第三者から見れば、私のエゴなのかとも思います。私が過去に縛られているという見方もできると思います。
入院のストレスから、息子の掻きむしりが頻発し、それを目にした医師や看護師さんが「何とかしてあげたい」と考えてくださるのは自然な流れ。
「この子の将来のために」
それだけは一致していて、ただ、根底にある考え方が違うだけ。
「痒いのはつらいもの」だから「何とかして止めたい。痒みが止まれば、できることがいろいろと広がる」と考えるか。
「痒いのは体からのメッセージ」だから「受け止め、出し切りたい。不自由でも学び多き道」と考えるか。
どちらがいい、悪いということではなくて、私たちはどんな道を選びたいか。
医師たちが病室から出た後、夫から電話がありました。
「ちょっと話させて」と、モヤモヤを吐き出しました。
吐くだけ吐いて、電話を切ったら、夫からこんなメールが届きました。
痒いけど、その痒さが必要だから痒いんだと思う。痒くなかったら、今の息子じゃないと思う。たぶん、俺たちも、何か違う人生になっている。そこから考えたい。
その言葉に、涙が溢れてきました。
アトピーは悪者じゃない、と夫も思ってくれているのだと。
アトピーに対して「つらいね」「かわいそうだね」という見方もあるけれど、息子を見ていると「強いね」「センサーがよく働くね」という見方もできると思っていて。
私たちは、息子のアトピーから、食べること、生きること、考えて行動することを学ばせてもらってきました。
「大変」を超えた学びがある。
それを夫婦で共有できていることに感謝して、緊張感が一気に緩みました。
息子に「ちょっと、泣かせてね。悲しい涙じゃないからね。安心したのよ」と言って、声を上げて泣きました。体から力が抜けていきました。
食欲も出てきたし、トイレの回数も通常モードになってきたけれど、まだ緊張していたことに気付きました。
そして「泣くのは最高のリラックス」という言葉を思い出しました。
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