痒い時、どうする?

子どもが痒がっている時、以前の私は何とか早く痒みを治めなければと思っていました。

冷やしてみたり、逆に温めてみたり。

掻きむしっている気配がすると(離れていても分かっちゃう)すっ飛んで行って、一緒にわしゃわしゃやってみたり。

好きなもので気を紛らわそうと、あれこれ試みたこともありました。

もちろん、お薬を使ったこともありますよ。西洋薬も、漢方薬も。

でも、我が家の場合、それでは解決できなかったのです。

以前は、掻きむしりが切なくてしょうがありませんでした。

どれだけ爪を切っておいても、かわいい息子が傷だらけ、血まみれになるのですから。

アトピーをどれだけ恨めしく思ったか。

そういえば、息子の爪を「最強の爪」と呼んでいたこともありました。
すぐえぐり傷をつくっちゃうから。

それが今は、一生懸命爪を切らなくてもえぐり傷をつくらなくなりました。

私が今、息子が痒い時にどう対応しているか、書いてみようと思います。

息子の肌ではなく、自分の気持ちを観察する

息子が掻きむしったら? ⇒ 傷がつく。血が出る。浸出液が出る。床が落屑だらけになる。

それまでの経験上、自動的にイメージしてしまっていました。

ずーーーっと、息子の肌を見てきたから。

でも、掻きむしる音が聞こえたら、その意識を、息子の肌ではなく自分の内側に向けるようにしてみました。
意識を向ける先を変えるだけで、少し楽になります。
そこで何が見えたかというと。

息子がガリガリと掻きむしっている間、私は「あー、嫌だなー」と感じながら、ああなるのでは、こうなるのでは、と過去の経験と結び付けてイメージを膨らませ、不安と心配に押しつぶされそうになっていました。

「私、めちゃくちゃ不安だったんだな」ということが分かりました。
自覚していた以上に。
そこで、不安がる私を「大丈夫だよ、心配いらないよ」「息子は自分で乗り越えられる力があるからね」とヨシヨシしてあげました。

「私が何とかしなきゃ」という思いも出てきました。
その一方で「私には何とかできないかもしれない」という思いも現れました。
どんなに手を尽くしても、掻きむしる時は掻きむしってしまうのを何度も経験しているからです。
その悲しみも悔しさも覚えているから、その思いも溢れそうになりました。

「うぅ…」となっている私を
「頑張って何とかしようとしなくても大丈夫だよ」
「私が何にもしなくても問題ない」
「治すのは私ではなく、本人なんだから心配ないって」
となだめました。

こうして、自分を追い込まずに、ありのままの自分を観察して、自分を丸ごと受け入れられるようになったら、自然と子どもの力も信じることができるようになりました。
子どもの前に、まずは自分なんですね。

自分のどんな感情も無視しないで、どうしてそう思ったのか観察してみる。
そして
「よかったね」
「よく頑張ったよ」
「大変だったね」
と認めてあげる。

自分の一番の親友になってあげるのです。

「大丈夫、絶対息子はよくなるから心配いらないよ」
と自分をなだめていたら、だんだんと息子のガリガリタイムが短くなってきました。
敏感な子ですから、私から発せられるものの違いを感じているのかもしれません。

子どもに自分の体を観察してもらう

時々ジタバタしている息子に「ねぇ、どんな感じ?」「どこが痒いの?」と聞いてみます。

息子は広範囲にガリガリすることが多いのですが
「どうしたい?」
「体の中で何が起きていそう?」
と繰り返し聞くと(言語化しづらいんでしょうね、時々嫌がられますけど諦めない(笑))、だんだん
「膝の内側に毒素がたまってる気がする」
「腎臓のあたりが爆発しそうだ」
「最近、肝臓のあたりが痒くなることが多いかも」
と息子なりの観察結果を教えてくれるようになりました。

実際、そんなふうに言葉にしてくれた部分以上に広範囲に掻き続けることが多いのですが、そんな時でも、教えてくれたポイントに私の手を当ててあげたり、もみほぐしてあげると落ち着くことが多くなってきました。

腎臓、肝臓、胃腸、脾臓が大切な臓器だということを息子は体で理解しています。

臓器といえば、こんにゃく湿布(話が飛んだ? でも自分の体を感じてもらうのにとてもいいと思うので書いちゃいます)。うちの食いしん坊息子は「こんにゃく湿布に使ったこんにゃくは毒素を吸っているから食べられない」と知ってから、こんにゃく湿布をさせてくれなくなりました…悲しい。

食べ物をお手当てに使うことに抵抗のないお子さんでしたら、こんにゃく湿布はおすすめです♪
これをやった夜は、いつもよりよく眠ってくれました。

【こんにゃく湿布のやり方】

①板こんにゃく2枚を茹でます。沸騰してから10分ぐらい熱を入れます。

②フェイスタオル2枚でこんにゃく1枚を包みます(なのでフェイスタオル4枚必要)。

③仰向けになって2つのこんにゃく湿布を肝臓(おへその右上、右胸の下)と腸(おへその下)にそれぞれ横に当てます。脾臓(左ひじが当たるあたりの脇腹)には水で濡らしたタオルを当てます(脾臓は温めないで冷やします)。

④20分ほど置いたら、こんにゃく湿布たちを外して、当てていた箇所をよく拭きとります。

⑤今度はうつぶせになって腎臓(腰の背骨脇左右1つずつ)に蒟蒻湿布を縦に当てます。

⑥20分ほど置いたら、当てていた箇所をよく拭いて終了。

※こんにゃく湿布の温度が下がったら、引っくり返したり、くるんでいたタオルをはがして使ってください。気持ちの良い温度を探りながらやってみてくださいね。

※使ったこんにゃくは水につけておくと繰り返し使えます。小さくなったら替え時です。

息を深く吐いて、リラックス

息子は痒くてジタバタしている時、体に力が入り、呼吸を止める癖があります。これも自然に備わった対処なのかもしれませんが、私は意識的に息を吐くようにしてみてはどうかと提案しました。

体に力が入りすぎて、より血行が悪くなっては痒みが長引くのではないかと思ったからです。体内のごみを燃やすにも酸素が必要だろうし…とも考えました。

試しにそうしてもらったところ、やっぱり息を止めた時より、痒みが収まるのが早いみたいです。

息を吐くことを意識すれば、自然と吸えますから、息を止めているなと思ったら「はい、吐いて~」と誘導するだけです。

息を吐くとともに体の力が抜けていくのが分かります。手軽に押せるリラックスのスイッチ。

息子はまだ呼吸が乱れることが多いですが、呼吸は唯一自分でコントロールできる自律神経。
呼吸が浅いと、よく眠れないし、疲れやすいし、気持ちも焦ってしまって落ち着きません。
深ーくゆーっくり呼吸できるようになれたらいいなと思っています。

硬くなりがちな体に、安心してゆるんでもらう

痒みは滞り。掻くのは、そこに血を集めるため、血行を促すため、という説があります。

痒くてジタバタ中の息子に「どうしたい?」と聞いてみると「膝のまわりを揉んでほしい」「腕を雑巾絞りしてほしい」「肝臓に手を当ててほしい」などとと言われます。

つまり、「私の手」を必要とします。自分でもできるはずなんだけど、安心感を欲しているのかなと思って見ています。息子は「おれはまだ上手にできないから」「指の力が足りないから」というけれど(ちなみに息子が小さい頃、私は「千手観音になりたい」と切に願っていました。手が二つしかないのがもどかしくて…)。

なので、私に余裕があれば、もみほぐしてあげます。

疲れていて「無理…」と思う時は正直に「疲れているから、ごめんね」と言って、ほわわんとしながら手を当てるだけでも喜んでくれます(強く念を送ったりはしません。無心にほわわん、です)。手を当てた部分がゆるむからでしょうね。

安心感とゆるみをもたらす私たちの手には、ものすごく可能性があるのではないかと感じます。

頑張りすぎるとイライラの波動が出てしまうので、決して無理せず…喜んでできる時だけやらせてもらうのが大事なポイントです。

痒みは、必要だから出ているんですよね

痒みを嫌がりたくないなぁ…と思い続けているのですが、今のところ、私はまだ「嫌だな」という気持ちを完全には拭い去れていません。

ですが、以前よりは嫌ではないです。以前は「憎たらしい敵」と思って、目くじらを立てていましたからね。だいぶ緩和されました。

痒みは嫌がらせで出ているわけではなく、必要だからあらわれている症状なんですよね。私たちを守るために。

だから本来、味方であるはずなのに「嫌だ、あっち行け!」といじめっ子みたいなことを思ってしまう自分が嫌なんだよなぁ…と思うのです。

「異変を知らせてくれてありがとうね、助かったよ」と最初から親しい気持ちで思えるようになったらいいな。そんなことを考えています。少しずつ、少しずつ、近づけているはず。


「痒みは悪いことじゃないよね」と思いつつも「何で掻くのを止めたくなっちゃうんだろう」「何でこんなに嫌なんだろう」…この謎の矛盾の原因は自分の中にありました。
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