息子が昨日の午前4時ごろ、痙攣を起こしました。
口から血も出していて。
ものすごい食いしばり。
口の中を見てみると歯が抜けていました。
血の出どころは分かりましたが、かなり動揺。
これ以上歯を失わせたくない一心で、口をこじ開けて指を入れました。
容赦なく噛まれました。1日経っても人差し指がまだ痛むほどに。
救急車を呼んで
早朝だったため、深夜当番病院に搬送されました。
問診、血液検査、心電図検査、頭部CT、手首と膝のX線撮影の結果「低カルシウム血症」と診断されました。血液中のカルシウムの数値が極端に低くなると、こういう症状が出ることがあるそうです。
カルシウム、ビタミンDの摂取量ももちろん関係しますが、日光の当たり具合や、副甲状腺も関わっているとのことで、昨日のお昼に、搬送先の病院から内分泌の専門医がいらっしゃる大学病院の小児科に転院し、今日で2日目。
マルチアレルギーっ子は、病院食も厳しいよな…と何とか入院は避けたかったのですが、そうも言っていられない状況に陥り、最低限の除去(小麦、卵、乳、大豆、甲殻類、長芋)でお願いしました。お米は対応が難しそうなので、夫に炊いて持って来てもらうことに。
お薬も、はっきり合わないと分かっているものと分からないものがあって、線引きが難しい。
この12年で起きたあらゆるアレルギー症状を、医師、看護師、薬剤師、栄養士の方々にご理解いただくために、それぞれに説明しなければならない。
当たり前のことだけど、アレルギーの数が多いため、話す内容も多くなります。疲労と不安で頭が回らない中、伝わっているだろうか、漏れてないだろうかと思いながら話をしました。こういう時に備えて、メモしておけばコピーで済むのかもしれませんが、そんなものは用意していない。
そして、そっちに頭を使いすぎたからでしょうか、病院の事務的な込み入ったルール(新型コロナの影響)のお話がなかなか頭に入ってこなくて、自分の余裕のなさを思い知りました。
夫とは随時連絡を取り合い、医師のお話は夫と一緒に聴かせていただけました。おかげで少し冷静になれました。
自分責め
「カルシウムを十分に摂取させられなかった私のせいだ」
「永久歯が抜けるなんて、取り返しのつかないことをしてしまった」
「もっとできることがあったのに…私の怠慢だ」
もちろん自分を責めました。
そして、私、自分を責めているな、と気付くことができました。
息子が検査のため、私一人廊下で待たされている間に、自分からわき出る思いを感じきろうと紙とペンを出して書き始めました。
私たちは自分責めをしたくないから、誰にも責められたくないから、頑張って、頑張って、頑張りすぎるのかもしれません。
頑張りすぎて毎日イライラしながら暮らしていた過去があります。ひたすら空回りしているように思えて、家族といるのに孤独で、そんな自分が嫌になる日々でした。
そこから脱して「やらなきゃ」ではなく「やりたい」「どうしたいのか、どうなりたいのか」を大切にするようにして、私たちは幸せに暮らしていました。それは事実だから、私も好きなことをして、ゆるっと笑って暮らせるようになったことを否定したくはない。
書いているうちに、大変な出来事ではあるけれど、このタイミングだから受け入れられるのかもしれないと思えてきました。
息子のアトピーは、数年前に比べたらずいぶん良くなっている。
成長して、自分の思いを我慢しすぎないで出せるようになってきている。
そういえば、ある人にけいれん発作はステロイドを使った体が、動き始めたしるしだよと言われたこともあった。
そういえば、昔、私も食いしばって歯がポロポロ抜けていく怖い夢を見たことがあって、年月を経ての正夢?とも思ったけれど、確か、歯が抜ける夢は悪い意味じゃなかったような(新しいことが始まる、みたいな)記憶がある。息子のは夢ではないけど、歯が抜けたからと言って悪いことになるとは限らない。思いがけない、よいことにつながるかもしれない。
出てきた思いを書き連ね、「何とかなる。絶対大丈夫!」と締めくくりました。
思い当たる節
医師に、私が思い当たる原因をお話しました。アレルギーがあるため、普段ママカルというサプリメントでカルシウム補充をしていたものの、お盆前に切らしてしまって発注してもすぐ届かない時期で、5日間ほど摂取できなかったのです。
医師は「なるほど」とおっしゃって「でも、それだけではこんなに下がらないと思いますよ」と続けました。
「先天的な問題など、ほかの原因も考えられるので、検査しながら診ていきましょうね」
「よく足がつったり、痺れやすかったり、寝ている間に手が変な形になっていたりすることはありませんでしたか」
確かに、赤ちゃんの時から体をのけぞらせることが多くて抱っこしづらかったり、私に踏ん張るようにして寝たり、体に力が入っていることが多い子で、気にはなっていました。
食事制限がもっと緩かった小さい頃から「足がだるい」「痺れた」と言って「足もんで〜」とよく頼まれたものでした。台所のお手伝いをする時も、包丁を持つと「指がピンとなった。すぐ治せるけど、たまになる」と教えてくれました。
思い当たることはあるので、今回のことは食事制限以前の問題で、先天的なものかもしれない、という言葉が現実味を帯びてきました。
そうか、このタイミングで、ここに転院することになってよかったんだな。
昨日、付き添い用のベッドと布団を運び入れ、ようやく横になれた時、ホッとして涙が溢れました。
希望と感謝
最初は転院することも、ものすごく不安で、帰りたくて。そんな私たちを根気強く説得し「絶対おすすめします。不安なことがあれば、しっかり話し合いながら進めていってください」と送り出してくださった搬送先の医師の判断に感謝しました。そして精いっぱい私たちの思いを伝えてくれた夫にも。
息子はとりあえず再びけいれんを起こす危機は脱しました。
歯は抜けたけど、生きてます。
点滴や心電図の線が繋がりまくっているけど、YouTubeを見ながら、いつものように楽しそうに笑っています。
めちゃくちゃ具合悪いとガリガリする余裕もないけど、「入院やだよ〜。注射したくないよ〜(泣)」とガリガリ掻いてます(ストレスがかかっちゃっているからしょうがないかな。掻きむしりはある意味元気な証拠、と思っています)。
翌日会う予定になっていたお友達に「また来てねって伝えて」という配慮もできました。
あんなに悩んだ病院食も「豪華!」「おいしい」と喜んで食べたし(痒くはなってるけど、最低限は除去できているから、あとで調整しよう!と切り替えました)。
しかも「一番おいしかったのはオクラ」という言葉が何故かとても嬉しくて(並んだ品のうちで、一番おうちごはんっぽかったからかな)。
夫の思い、私の思い、そして何より息子本人の思いを確認しながら、よりよい選択ができるよう、医師をはじめ病院スタッフの皆さんにはこまやかに配慮していただいています。心から感謝いたします。
世界は優しい。
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