小1の冬から、学校に行かない選択をしている息子が、卒業式を迎えました。
顔中、血まみれになるまで掻きむしり「学校に行きたくない」と言われて、私の腹が決まり、先生方と話し合って、始まった不登校。
一時は「校門もくぐりたくない」状態でしたし、担任の先生と会いたくない時期もありました。
でも、卒業式は自分から行く気持ちがわいたようです。
卒業したい?
卒業アルバムや卒業式のお話が、担任の先生からよくされるようになった頃
「そもそも、息子は卒業したいの? 勉強し直したいから留年します!って道もあるんじゃない?」
そんなことを聞いてみた私に、息子は驚いた顔をして
「えっ、おれは卒業したいと思っていたんだけど」
と答えました。
「分かったよ。じゃあ、その方向で先生と話そうね」
こうして、息子の小学校卒業への道が本格的にスタートしたのでした。
卒業アルバム、文集はどうする?
卒業アルバムの写真は
①学校で写真屋さんに撮影していただく
②学校外で写真屋さんに撮影していただく
③家で撮影した写真を使う
④撮影せず、アルバムに写真を載せない
という選択肢を担任の先生に提示していただき、息子は「④撮影せず、アルバムに写真を載せない」を選びました。
アルバムは購入しませんでした。
文集は、クラスの係の子が考えてくれた質問項目(誕生日や好きなものなど)に答えたら、書いてくれるというインタビュー形式で、「どうする?」と聞く前に、息子が答え始めたので、メモを書いて先生に託し、載せていただくことにしました。
卒業式はどうする?
卒業式は
①皆と一緒に参加
②皆が帰った後
場所も
①体育館
②校長室
③玄関
と多数、選択肢を提示していただきました。
息子に「どうしたい?」と聞いて、しばらく考えてもらったら
「皆が帰った後、校長室で受け取りたい。その方が晴れがましい気持ちになると思うんだよね」
と自分の答えを出しました。
服はどうする?
普段着でいいかなと思っていたけど、何か準備したほうがいい?
普段着だと思ってた。
上履きも小さくなっちゃったから、今ないんだよね。スリッパでいいかな? 新しい上履きを買ってもいいし。
スリッパで大丈夫!
息子スタイルの卒業式の大枠は、こうして決まりました。
担任の先生と、時間や参列してくださる先生方について、何度かやりとりしながら、約束の時間に学校に伺うと、先生方がスペシャルな卒業式をつくってくださっていました。
写真は教頭先生が撮影してくださいました。
不安から安心感へ
今の校長先生には、一昨年に初めてお会いしました。
お時間をいただいて、息子が小1の冬に学校に行きたくなくなった当時からの経緯をじっくりお話し、ご理解いただいていました。
そして「希望に溢れて入学されたのに、申し訳なかったです」と頭を下げてくださったのでした。
私は先生を責めるつもりもなかったし、ただ息子の思いを、私が分かる範囲で伝えただけのつもりでしたが、そう言われて涙が溢れました。
自分では気持ちを整理したつもりでも、蓋をしていた感情があったようです。
息子にも、校長先生とお話したことは伝えてありました。
息子は校長先生と会ったことはなかったけれど、私から聞いた話から、校長先生のイメージができていたのかもしれません。
「卒業式は最後だから、校長先生に会いに行っておこうか。『今まで、ありがとうございました』って言いに行こう」と自然に、当日学校に行く流れになりました。
6年間の大切な日々
卒業式当日、学校に向かう道中を懐かしんで歩きました。「このバス停が…」「郵便局が…」と小さかった頃を思い出しながら。
久しぶりの学校も、初めて入った6年生の教室も「うわ、4階は高いね。空しか見えない」と言いながら入って、黒板いっぱいにクラスメイトたちが書いた卒業メッセージを眺めました。
先生方のおかげで、小学生として最後の小学校をじっくり味わって、校長先生と担任の先生に見送られて帰途に就きました。
6年の間、親子でいろいろな感情と向き合いながら歩いた小学校までの道。
「学校生活は、長い人生のほんの一部。自分で選ぶ経験は大事ですから」という校長先生の言葉を胸に。
「学校に行かずに家で過ごす」という、息子が皆と違う道を選んで進んできた経験も、宝物になると思っています。
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