
2025年12月8日、豊富町で開催された日本ヘルスツーリズム学会特別研究会。
ヘルスツーリズムとは、健康✕旅の言葉通り、本来の健康を取り戻すための旅、あるいは滞在を意味しています。
今回のテーマは「豊富温泉から生まれる新しいへルスツーリズム~サロベツの大自然で癒し・健康と地域観光との融合~」。
私の印象に残ったお話を、かいつまんでシェアさせていただきますね。
健康は環境も大きな要因
まず東京医科大学名誉教授・下光輝一先生のお話。
遺伝だけでなく、食べるもの、嗜好品、運動など「暮らし方が大きな要因」と、健康は個々人の問題であるように扱われがちだけれど、決してそうではなく。
私たちが置かれている環境、つまり社会のあり方でも変えられるという視点のお話で、とても興味深いものでした。
自然とお散歩や運動したくなるような環境や、温泉のような健康増進施設があるのと、ないのとでは、そこにいる人たちの健康状態も変わってくる…
確かに、歩いている時の気分は、その場の影響を多大に受けますよね。
うちの息子も、豊富温泉に熱心に入らなくても、豊富町で暮らして、たまーに温泉に行く程度で肌の状態をキープできていますから、環境の影響というのは、本当に大きいと思うのです。
子どもたちが、将来も健康で過ごしていけるよう、この環境を残していきたいものです。
観光型から療養型へ回帰
次に温泉家の北出恭子先生のお話。
1年に300の温泉に入るというだけあって、ものすごく温泉愛にあふれた方でした。
「湯治」の形態には時代とともに変遷が見られ
- 療養型湯治(古来〜江戸時代)
- 保養型湯治(明治時代〜)
- 観光型湯治(昭和・高度経済成長期〜)
の3種類あるのだそうです。
近い将来、ユネスコの無形文化遺産に「日本の湯治文化」が登録される可能性が高まっているそうなんですが、「湯治=療養型」に回帰しつつあるともおっしゃっていました。
そんなお話を聴きながら「あら、図らずも、私たちは最先端?」なーんて、内心ちょっと調子に乗りつつ。
かつては私たちも、初めての湯治を考えた時は、数泊の短期滞在しか考えられず、長期滞在は難しいと思い込んでいたのを思い返していました。
長期滞在は、時間もお金も費やすものが大きく、仕事や家族、ご近所関係などルーティンとして何げなくやっていたこともできなくなるため、周囲との調整が必要になります。
「何日までなら可能だろう?」と限界を探るような感じで日程を決めるのは、なかなか難しいんですよね…。
でも、実際に来て、湯治生活してみたら「もっと、ここにいたい」とタガが外れてきて。
あちこち行って、いろいろなものを見たり、体験する観光旅行とは違う「満足感」が、「じっくり、のんびり滞在することで癒される」療養型湯治で得られるような気がしています。
スルメを味わうように(*^^*)
そんな感覚を肯定していただけたようなお話でした。
医療と豊富温泉
元日本看護連盟会長・大島敏子先生や台湾の皮膚科医・翁子玉先生は、医療者としてアトピー性皮膚炎など皮膚病患者さんのことや、皮膚の構造、豊富温泉についてお話してくださいました。
お薬である程度コントロールできても、心理・環境も大きく関わる私たちの健康。
環境に恵まれた豊富温泉で長期療養することで、心身の修復に繋がりやすいことを、温泉成分の説明を交えながらお話しくださいました。
大島先生は、豊富町健康支援大使でもいらっしゃって、とてもパワフルで豊富温泉愛にあふれた方でした(*^^*)
豊富温泉の源泉
最後に、豊富町国民健康保険診療所所長の柴崎嘉先生、町役場の商工観光課からお二人が、日本ヘルスツーリズム学会の理事長さんと座談会形式でお話してくださいました。
そこで「豊富町は、実はアクセスしやすいところ」という視点を柴崎先生からいただきました(*^^*)
町役場からは、豊富町の素敵な風景写真と、豊富温泉の井戸は6本あること、そのうちの3本の源泉をブレンドしたものが、私たちが入っている温泉に注がれていることが紹介されました。
4本のペットボトルに入った温泉水を参加者全員に回していただけて

確かに、私たちが見慣れているのは左の温泉。
温泉が温泉は生き物だから、日々変わっていく…といいますが、同じ温泉でも、井戸によって、こんなに個性が出るんだなぁと面白く拝見しました。
豊富温泉を大切にしたい
初めて参加させていただいたヘルスツーリズム学会。
個性豊かな先生方が登壇なさって、たくさん面白いお話を聴くことができました。
「豊富温泉で長期湯治」という選択肢のハードルが下がって、必要な方がこの恩恵を受けられるよう、できることを考えていこうと思いました。
温泉と自然を体いっぱいに感じられる、この環境を大事にしていきたいです(*^^*)
【関連記事】豊富町で開催された乾癬の会の学習会に参加させていただいた時のお話はこちら。


